農業用ビニールハウスへの遮光剤散布でトマトの高温障害を抑える

ドローンでの散布業務の中で2022年は新たな取り組みとして農業用ビニールハウスへの遮光剤散布を約40棟行いました。

主にはミニトマトを栽培されている農家様からのご要望に応える形で、資材や施工方法を検討しながら取組みを実施しております。

農業用ビニールハウスへのドローンによる遮光剤散布

遮光剤もいくつか種類があるのですが、希釈不要(遮光率約20〜30%)なものから用途に合わせて希釈倍率を調整できるもの(遮光率約20〜80%)もあり、さまざまな要望に柔軟に対応可能です。
我々としては希釈倍率が変更できる遮光剤が農家様のご要望に合わせる事ができるのでおすすめしております。

下の施工写真は西側(写真上側)を濃くしたいというご要望にて対応したものです。
西側が濃く、かつ下の棟は無施工の棟で違いが良くわかると思います。

遮光剤塗布施工写真

施工に際しては、ハウス上空からのドローン散布となるのでドリフトによる作物への遮光剤付着を避けるため飛行方法や施行中は施工ハウスと隣接ハウスを締め切る為、その間の室温上昇を最小限に留めるなど施工班内で連携をとりながら迅速に進めます。

今期施工したお客様の中には、作物のみならず作業用のハウスに行いたいとの事で農業従事者様の作業環境改善対策としてご利用された方もおります。

この吹付け遮光剤は一般的には3ヶ月程度の効果(風雨などで徐々に落ちていきます)が希釈倍率や塗布量(塗布厚さ)により効果の持続期間を変えることも可能です。

お試しで使用したい場合は全ての棟を施工するのではなく、試験的に1棟や数棟、作業棟などでの変化を試してみてその結果をもとに濃度や他の棟への実施の可否を検討することが最適と考えます。

実施した農家様からは遮光剤散布したハウスはやはり温度上昇を抑えられているとの回答を頂き、効果を実感しております。

農業従事者様の中には既にドローンをお持ちの方もおられるので、ご自身で遮光剤散布を検討される方もいるかと思います。
もしご自身で施工される場合の注意点としては、遮光剤の濃さによってはノズルが非常に詰まりやすくなる事や、ドローンそのものへの付着による清掃時間の増大(塗料なのでかなり落ちにくい)、ハウス上空飛行での視界や障害物センサー作動による動作停止など意外と簡単ではありませんので十分にご注意下さい。

北海道札幌市で私が講師をしているドローンスクール「一般社団法人ドローンスクール協会」のリンクはコチラ

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